【准看試験対策】認知症の4大分類・中核症状とBPSD・身体への影響を徹底解説!リハビリ3職種の体験談&練習問題付

今回は、医療・看護・介護・リハビリのすべての現場で切っても切り離せない超超重要テーマ「認知症」について徹底解説します!

試験では、「4大認知症(アルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型、前頭側頭型)の鑑別」や「中核症状とBPSDの違い」が非常によく問われます。病態の仕組みから身体・生活への影響、そして現場での具体的な対応のコツまで一気に整理していきましょう!

1. 認知症の病態と「4大認知症」の特徴

認知症とは、一度正常に発達した知的機能が、脳の病気や障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたした状態を指します。

① アルツハイマー型認知症(認知症全体の約60%)

  • 病態: アミロイドβやタウ蛋白が脳に蓄積し、**海馬(かいば)**を中心に全般的な脳萎縮が進行。
  • 特徴: 物忘れ(記憶障害)からゆっくり発症。初期は昔のことは覚えているが「直前の出来事」を忘れる(記銘力障害)。女性に多い。

② 脳血管性認知症(約20%)

  • 病態: 脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって脳組織が破壊されて発症。
  • 特徴: 障害された部位によって「できること」と「できないこと」の差が大きい「まだら認知症」が特徴。脳卒中の再発に伴い**「階段状に悪化」**する。男性に多い。

③ レビー小体型認知症(約4.5%)

  • 病態: 脳内に「レビー小体」と呼ばれる異常なタンパク質が出現。
  • 特徴: 存在しないものがはっきり見える「生々しい幻視」、調子の良し悪しが激しい「調子の動揺」、手が震えたり転びやすくなる「パーキンソニズム」、REM睡眠行動異常症が3大特徴。

④ 前頭側頭型認知症(ピック病など)

  • 病態: 脳の前頭葉や側頭葉の前部が萎縮。指定難病。
  • 特徴: 初期は記憶障害よりも脱抑制・人格変化(社会のルールを守れなくなる、怒りっぽくなる、万引きなど)や周頭性行動(同じ行動を繰り返す)が顕著に現れる。

2. 中核症状とBPSD(行動・心理症状)の違い

試験でも超頻出!認知症の症状は**「中核症状」**と**「BPSD」**に明確に分類されます。

  • 中核症状(脳細胞の破壊で直接起こる): 記憶障害、見当識障害(時間・場所・人物が分からなくなる)、理解・判断力の低下、実行機能障害(計画を立てて料理などができなくなる)、失認・失行・失語。
  • BPSD:行動・心理症状(本人の性格や環境・人間関係が影響して起こる): 徘徊、暴力・暴言、物取られ妄想、抑うつ、不眠、拒絶、幻覚・妄想など。周囲の適切なケアや接し方で軽減することが可能です!

3. 認知症が身体や日常生活に与える影響

認知症は頭(記憶)の病気と思われがちですが、進行すると身体機能や全身状態にも深刻な影響を及ぼします。

  • 摂食・栄養機能の低下: 食べ物だと認識できなくなる(認識の障害)、咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)のタイミングが合わなくなることで、体重減少や脱水、誤嚥性肺炎のリスクが急増します。
  • 運動・歩行機能の低下と廃用症候群: 失行(動作の手順が分からない)や意欲低下により活動量が激減し、筋力低下や関節拘縮が進行。転倒・骨折のリスクが高まり、寝たきり状態へ移行しやすくなります。
  • 排泄機能の障害: トイレの場所が分からない(見当識障害)、ズボンの着脱手順が分からない(実行機能障害)などの理由から便失禁・尿失禁が増え、皮膚トラブル(褥瘡や皮膚炎)につながります。

4. リハビリ3職種の現場体験談&臨床アドバイス

臨床の最前線で働くST・PT・OTの目線から、認知症患者さんへの具体的なアプローチと現場で役立つ観察・対応のコツをお伝えします!

言語・コミュニケーション・嚥下の専門家:ST(言語聴覚士)の視点

【現場での体験談:食事中の「口止め」と誤嚥性肺炎の防ぎ方】
認知症が進行した患者さんのリハビリで多く出合うのが「食事中に口を動かさなくなってしまう(口止め)」や「食べ物を口に溜め込んだまま飲み込まない」という場面です。これはサボっているのではなく、脳の失認や実行機能障害によって『食べ物であること』や『どう飲み込めばいいか』の認知が途切れてしまっている状態です。不用意に口へ食べ物を追加すると、重篤な誤嚥性肺炎を引き起こします。

💡 ここを対応・観察して!:
口が止まった時は、空のスプーンを口元に近づけたり、カトラリーを握り直してもらうなど「動作のきっかけ(手掛かり)」を与えたり、「ゴクンと飲み込みましょうね」と声をかけることが非常に有効です。コミュニケーションでは、長文を避け「一問一答形式(YES/NOで答えられる質問)」で短く伝えるのが鉄則です!

運動・歩行の専門家:PT(理学療法士)の視点
【現場での体験談:レビー小体型の転倒リスクと「否定しない」立ち上がり支援】
PTとして特に緊張感を持つのが、レビー小体型認知症の患者さんです。パーキンソニズム(小刻み歩行・突進現象)に加えて「生々しい幻視(床に虫や紐が見えるなど)」が現れるため、急に立ち止まったり、避けようとして大転倒し、大腿骨近位部骨折を起こすケースを何度も目の当たりにしてきました。また、アルツハイマー型の方で「家に帰る」と徘徊される際、力ずくで止めようとするとBPSD(興奮・暴力)が悪化して転倒リスクが上がります。

💡 ここを対応・観察して!:
患者さんの訴えや見えているものを「そんなもの無いですよ!」と否定するのは絶対NGです。「虫が心配ですね、一緒に払いましょう」「少し座ってバスを待ちましょうか」と一度思いを受容し、注意を別の安全な行動(座ってのお茶など)に向ける対応(バリデーション技術)が、転倒予防とBPSDの沈静化に直結します!

生活・生活動作(ADL)の専門家:OT(作業療法士)の視点
【現場での体験談:失行(着替えや排泄ができない)へのケアと残存機能の活用】
OTは患者さんが「その人らしく生活すること」を支えます。認知症が進むと「服の着方が分からない(着衣失行)」「トイレの流し方が分からない」といった症状が現れ、ご本人も自尊心を傷つけられ苦しんでいます。全介助にしてしまうとあっという間に心身機能が低下(廃用)してしまうため、OTとしては『どのプロセスなら自分一人でできるか』を見極めることが一番の仕事です。

💡 ここを対応・観察して!:
例えば着替えの際、服をたたんで順番通りに置いておく、洋服の前後が分かるマークをつけるなど環境を整えるだけで、ご自身で着られるようになります。「できない部分だけをさりげなく手伝う(手出しをしすぎない)」ことが、BPSDを予防し自尊心と残存機能を守る最大のケアです!

5. 試験に出る!認知症の重要キーワード&数値

  • 改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R): 30点満点中**20点以下**で認知症の疑い。
  • MMSE(Mini-Mental State Examination): 30点満点中**23点以下**で認知症の疑い(図形模写などの項目が含まれる)。
  • アリセプト(ドネペジル): アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の進行を遅らせる抗認知症薬(アセチルコリンエステラーゼ阻害薬)。
  • 物取られ妄想: アルツハイマー型認知症の初期〜中期に多く、特に身近な介護者(娘や嫁など)に向けられやすい。
  • 正常圧水頭症(NPH): 治療(シャント手術)で改善する「治る認知症」の代表!**「認知障害・歩行障害・尿失禁」**の3大症状が特徴。

6. 実力試し!練習問題10選(認知症編)

問1:認知症の中核症状に含まれるものはどれか。
1. 徘徊
2. 物取られ妄想
3. 記憶障害
4. 暴力

解答:3

【解説】記憶障害や見当識障害、理解・判断力の低下などは脳の障害で直接起こる「中核症状」です。徘徊や妄想、暴力はBPSD(行動・心理症状)に分類されます。

問2:生々しい幻視やパーキンソニズム、症状の動揺を3大特徴とする認知症はどれか。
1. アルツハイマー型認知症
2. 脳血管性認知症
3. レビー小体型認知症
4. 前頭側頭型認知症

解答:3

【解説】はっきりとした幻視、パーキンソニズム、調子の変動(動揺)はレビー小体型認知症の典型的な特徴です。

問3:脳血管性認知症の経過の特徴として正しいのはどれか。
1. 緩やかに着実に進行する
2. 脳卒中の発作ごとに階段状に悪化する
3. 治療によって完全に元通りになる
4. 発症初期から万引きなどの脱抑制が目立つ

解答:2

【解説】脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血の再発に伴い、階段状に悪化する経過をとります。また「まだら認知症」も大きな特徴です。

問4:改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)において、認知症の疑いとされるカットオフ値(点数)はどれか。
1. 30点満点中25点以下
2. 30点満点中20点以下
3. 30点満点中15点以下
4. 30点満点中10点以下

解答:2

【解説】HDS-Rは30点満点中「20点以下」で認知症の疑いが高いと判断されます。

問5:手術(髄液シャント術)を行うことで症状の改善が期待できる「治る認知症」はどれか。
1. 慢性硬膜下血腫・正常圧水頭症
2. アルツハイマー病
3. ピック病
4. プリオン病

解答:1

【解説】正常圧水頭症(NPH)や慢性硬膜下血腫は外科的治療によって改善が期待できる「治る認知症」として重要です。

問6:初期から反社会的な行動(脱抑制、万引き、暴言)や性格変化が目立つ認知症はどれか。
1. アルツハイマー型認知症
2. 脳血管性認知症
3. 前頭側頭型認知症(ピック病)
4. 正常圧水頭症

解答:3

【解説】前頭葉が侵される前頭側頭型認知症(ピック病)では、理性を司る前頭葉の機能低下により脱抑制や人格変化が顕著になります。

問7:時間、場所、人物が分からなくなる認知症の中核症状はどれか。
1. 記憶障害
2. 見当識障害
3. 実行機能障害
4. 失行

解答:2

【解説】現在の時間、今いる場所、目の前の人物が誰かが認識できなくなる症状を「見当識障害」といいます。

問8:アルツハイマー型認知症の病態として脳に蓄積する異常タンパク質はどれか。
1. レビー小体
2. アミロイドβ(ベータ)
3. インスリン
4. ヘモグロビン

解答:2

【解説】アルツハイマー型認知症では、アミロイドβやタウタンパクが脳内に異常蓄積し、神経細胞が脱落して脳萎縮を引き起こします。

問9:認知症患者のBPSD(行動・心理症状)に対する望ましいケア・対応として適切なのはどれか。
1. 妄想を言われたら誤りを強く説得する
2. 徘徊するときは部屋に鍵をかけて閉じ込める
3. 本人の訴えを否定せず受容し、安心感を与える
4. すべての生活動作を全介助にする

解答:3

【解説】BPSDに対して説得や否定、過度な拘束を行うと逆効果になり症状が悪化します。思いを受容・傾聴し、安心感を提供することがケアの基本です。

問10:認知症患者の意思疎通(コミュニケーション)の技術として最も適切なのはどれか。
1. 一度に複数の指示をまとめて伝える
2. 相手の後ろから大きな声で話しかける
3. 正面から目を合わせ、簡潔に一問一答で伝える
4. 子供扱いした言葉遣いをする

解答:3

【解説】視界に入る正面から目を合わせ、わかりやすい言葉で短く伝えること(閉ざされた質問/YES・NOで答えられる質問など)が効果的です。