看護の基本をマスター!バイタルサイン・体位変換・生活援助のポイント解説【准看試験対策・練習問題付】

今回は、看護職の腕の見せどころである「基礎看護技術」を攻略しましょう。技術には必ず「なぜそうするのか?」という根拠があります。
その根拠を理解すると、技術は一気に上達します。実習で指導者さんに「根拠は?」と聞かれても自信を持って答えられるよう、ポイントを整理しました!

バイタルサイン:身体が発するサインを読み取る

患者さんの状態を知るための最も基本的な指標です。正常値と、測定時の注意点を覚えましょう。

  • 体温: 日内変動があり、早朝が最も低く、夕方に高くなります。
  • 脈拍: 成人の正常値は60〜100回/分。橈骨(とうこつ)動脈で測るのが一般的です。
  • 血圧: 心臓と同じ高さで測定します。カフの巻き方や幅が適切でないと誤差が出ます。
  • 呼吸: 測定していることを患者さんに意識させないのがコツです(意識すると変化してしまうため)。

現場では「いつもと違う」という直感を大切にしてください。数値が正常範囲内でも、患者さんの顔色が悪い、元気がないといった「非言語的情報」も立派なサインです。 特にST(言語聴覚士)の視点で見ると、呼吸の乱れは食事の際の誤嚥リスクに直結します。技術をこなすだけでなく、その先にあるリスクを予測する癖をつけましょう!

体位変換と褥瘡(じょくそう)予防

自分で動けない患者さんの皮膚を守る技術です。

  • 体位の種類: 仰臥位(あおむけ)、側臥位(横向き)、臥位(寝た状態)、ファウラー位(半座位)。
  • 褥瘡予防: 2時間ごとの体位変換が基本です。骨が突出している部分(仙骨部など)に圧力が集中しないようクッションを工夫します。
  • ボディメカニクス: 看護師自身の腰痛予防のため、支持基底面を広く取り、重心を低くすることが重要です。

日常生活の援助:食事・排泄・清潔

  • 食事援助: 誤嚥を防ぐため、顎を引いた姿勢(軽度前屈位)を保ちます。
  • 排泄援助: プライバシーへの配慮が最優先です。「恥ずかしい」という気持ちに寄り添いましょう。
  • 清拭: 末梢から中枢に向けて拭くことで、静脈還流(血液が心臓に戻ること)を助けます。

実力試し!練習問題10選(基礎看護技術編)

問1:成人の安静時の脈拍数(回/分)の正常範囲はどれか。
1. 40〜60 / 2. 60〜100 / 3. 100〜120 / 4. 120〜140

解答:2

【解説】成人の正常な脈拍数は60〜100回/分です。100回以上を頻脈、60回未満を徐脈といいます。

問2:血圧測定において、マンシェット(カフ)を巻く高さとして適切なのはどれか。
1. 肩と同じ高さ / 2. 心臓と同じ高さ / 3. 腹部と同じ高さ / 4. どこでも良い

解答:2

【解説】重力の影響を避けるため、マンシェットの中心を心臓(右心房)と同じ高さに合わせて測定します。

問3:呼吸測定の際、最も適切な方法はどれか。
1. 「今から呼吸を測ります」と伝える / 2. 患者の手を胸の上に置かせて測る / 3. 脈拍測定に続けて、患者に気づかれないように測る / 4. 10秒間だけ測って6倍する

解答:3

【解説】呼吸は意識すると回数が変わってしまうため、脈を測るふりをして、さりげなく胸腹部の動きを観察します。

問4:ボディメカニクスの原理で正しいのはどれか。
1. 支持基底面を狭くする / 2. 重心を高くする / 3. 患者との距離を離す / 4. 重心を低くする

解答:4

【解説】重心を低くし、支持基底面を広く取ることで、安定性が増し、介助者の腰への負担が減ります。

問5:臥床患者の褥瘡(じょくそう)が最も発生しやすい部位はどこか。
1. 腹部 / 2. 仙骨部 / 3. 大腿部 / 4. 前腕部

解答:2

【解説】仰臥位では、骨が突出している仙骨部(お尻の真ん中あたり)に圧力が集中しやすく、最も褥瘡ができやすい部位です。

問6:食事介助において、誤嚥を予防する姿勢はどれか。
1. 顎を突き出した姿勢 / 2. 顎を引いた姿勢 / 3. 完全に真横を向いた姿勢 / 4. 仰臥位(寝たまま)

解答:2

【解説】顎を引くことで気道が狭まり、食道が開きやすくなるため、誤嚥のリスクを下げることができます。

問7:清拭の方向として、静脈還流を促進するために適切なのはどれか。
1. 中枢から末梢へ / 2. 末梢から中枢へ / 3. 上から下へ / 4. どちらでも良い

解答:2

【解説】手先・足先(末梢)から心臓に近い方(中枢)へ向かって拭くことで、血液の流れを助けます。

問8:車椅子から便座への移乗介助で、車椅子を置く位置として適切なのはどれか。
1. 患者の患側に、便座に対して直角に置く / 2. 患者の健側に、便座に対して30〜45度の角度で置く / 3. 便座から遠く離して置く / 4. 患者の真後ろに置く

解答:2

【解説】患者さんの動きやすい側(健側)を便座に近づけ、斜め(30〜45度)に配置するのが基本です。

問9:点滴静脈内注射の部位に発赤や腫脹が見られた際、最初に行うべき対応はどれか。
1. 点滴速度を速める / 2. そのまま様子を見る / 3. 点滴を一時中止し、看護師(または医師)に報告する / 4. 針を深く刺し直す

解答:3

【解説】漏れや炎症の可能性があるため、速やかに中止して報告します。准看護師は自己判断で処置を変更してはいけません。

問10:臥床患者の洗髪を行う際、お湯の温度として最も適切なのはどれか。
1. 30〜32℃ / 2. 38〜40℃ / 3. 45〜48℃ / 4. 50〜55℃

解答:2

【解説】洗髪や清拭のお湯は、患者さんの負担にならないよう、体温より少し高い38〜40℃程度が適温です。