【准看試験対策】心疾患(虚血性心疾患・心不全)の病態・特徴を徹底解説!多職種体験談&練習問題10選
今回は、循環器看護の要であり、准看護師試験・国家試験でも高確率で出題される「心疾患(虚血性心疾患・心不全)」について徹底解説します!
試験では、「狭心症と心筋梗塞の病態・症状の違い」や「左心不全(呼吸器症状)と右心不全(全身浮腫)の鑑別」、「心機能評価(BNP・EFなど)」が超頻出です。病態の基礎から、認知症を併存した場合の循環器系・全身への影響、臨床現場での多職種(ST・PT・OT)のアプローチまで一気に整理していきましょう!

1. 心疾患(虚血性心疾患・心不全)の病態と特徴
心疾患の代表である「虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)」と、様々な心臓病の終末像である「心不全」の病態を明確に区別して覚えることが合格のポイントです。
【絶対比較!】狭心症 vs 心筋梗塞
| 項目 | 狭心症(Angina Pectoris) | 心筋梗塞(Myocardial Infarction) |
|---|---|---|
| 冠動脈の状態 | 一事的な狭窄(血流低下) | 完全閉塞・壊死(血流遮断) |
| 胸痛の持続時間 | 数分〜15分程度(数分以内が多い) | 30分以上持続(持続性激痛) |
| ニトログリセリン | 舌下投与で奏効する(改善する) | 舌下投与でも効かない |
| 心電図変化 | ST下降、T波陰性化など | ST上昇、異常Q波、冠T波 |
【試験超頻出!】左心不全 vs 右心不全の病態と特徴
- 左心不全(肺うっ血がメイン): 左心室のポンプ機能低下により、血液が肺へうっ滞します。
- 主要症状:労作時呼吸困難、起坐呼吸(横になると苦しく、座ると楽になる)、ピンク色泡沫状痰、夜間発作性呼吸困難。
- 右心不全(全身うっ血がメイン): 右心室のポンプ機能低下により、全身の静脈系へ血液がうっ滞します。
- 主要症状:下肢の浮腫(ペダルエデマ)、頚静脈怒張、肝腫大、腹水、体重増加。
2. 認知症を発症すると心血管系・全身にどんな影響が発生するのか?
認知症患者に心疾患が併存すると、認知機能低下と循環障害が相互に悪影響を及ぼし合います。
- 胸痛の未訴えと「無症状性心筋梗塞」のリスク: 認知機能障害や痛覚認識の低下により、「胸が痛い」と訴えられず、不穏や元気がない、食欲不振といった非定型的症状のみで心筋梗塞が進行する危険があります。
- 活動量低下による心機能・運動耐容能低下: 自発性の低下に伴いアパシー(無気力)やベッド上生活が増加すると、心筋廃用が進行し、わずかな移動でも心負荷増大や呼吸困難を招きます。
- 水分・塩分制限および服薬管理の崩壊: 心不全管理に必要な塩分制限・水分制限の理解が難しくなり、過剰摂取によって急性増悪を繰り返す原因となります。
- 脳血流量低下による認知機能の二次的悪化: 心不全による心排出量低下や不整脈は脳血流を減少させ、認知症症状(せん妄・見当識障害など)を一気に悪化させます。
3. リハビリ3職種の現場体験談&臨床アドバイス
心疾患や脳血管疾患を併存する患者さんに対し、ST・PT・OTがどのような視点で臨床に関わっているのかをご紹介します!
ST(言語聴覚士)の視点:脳卒中・心疾患発症後の嚥下と循環管理
【現場での体験談:脳卒中急性期と心機能・誤嚥性肺炎の重症化】
脳卒中を発症した患者さんの中に、基礎疾患として心房細動(Af)や虚血性心疾患を抱えている方は非常に多くいらっしゃいます。急性期に嚥下障害を来した際、心不全による息切れやSpO2低下があると、呼吸と嚥下の協調運動が乱れ、誤嚥リスクが跳ね上がります。
実際に、心不全のうっ血による呼吸苦を伴う状態で食事訓練を強行し、不顕性誤嚥から一気に重症肺炎・心不全増悪を招いてしまったケースを経験しました。
💡 ここを観察・アドバイスして!:
直接的嚥下訓練や食事を開始する前に、必ず「バイタルサイン(特に脈拍の不整やSpO2)と呼吸パターン」を確認してください!呼吸数が25回/分を超えている場合や、話す際に息切れがある場合は、嚥下訓練を見合わせる勇気も必要です。安全な離床角度と呼吸苦のない体位調整を行ってから介入することが大切です。
PT(理学療法士)の視点:脳卒中・心臓リハビリにおけるリスク管理
【現場での体験談:脳卒中片麻痺患者の心負荷と運動療法】
脳卒中片麻痺患者さんの歩行訓練中、麻痺側下肢の代償動作によって健常者の数倍のエネルギー消費と心負荷がかかります。心疾患を合併している患者さんが「リハビリ中に急な冷や汗をかき、無言になった」ため即座に血圧・心電図を確認したところ、無症候性心筋虚血(ST低下)を起こしていたというヒヤリハットがありました。
💡 ここを観察・アドバイスして!:
心疾患・脳卒中患者さんの離床・運動時には、ボルグスケール(自覚的運動強度)や「胸部違和感・冷や汗・顔色・血圧変化」を徹底的に観察しましょう!自覚症状をうまく訴えられない高齢者の場合、離床前後のバイタル変化と顔色変化が最大の危険信号になります。
OT(作業療法士)の視点:脳卒中・心不全患者の日常生活動作(ADL)指導
【現場での体験談:排泄・入浴動作での急激な血圧・心負荷変動】
脳卒中や心不全の患者さんにとって、日常の「排泄(いきみ)」や「入浴(温度差・水圧)」は心血管イベント(再発)を起こしやすい最大の危険場面です。トイレで強く息を止めて「いきむ(バルサルバ試行)」ことで血圧が急上昇し、その直後に急降下して脳梗塞や心筋梗塞を再発するケースを現場で見てきました。
💡 ここを観察・アドバイスして!:
ADL指導では、息を止めずに排便できる排便コントロール(緩下剤の適切な使用)や手すりの設置、入浴時の湯温設定(40度以下)などの環境整備が極めて重要です!動作を細分化し、心臓に負担をかけない動作様式を指導することが再発防止につながります。
4. 試験に出る!心疾患の重要キーワード・検査値
- BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド): 心臓(主に心室)に負担がかかると分泌が増加するホルモン。心不全の重症度指標として試験必出!(正常値:18.4pg/mL以下)。
- CK-MB・トロポニンT: 心筋障害・心筋梗塞で高値となる血液検査マーカー。
- 左室駆出率(EF): 心臓が1回の収縮で送り出す血液の割合(正常値:55%以上)。50%未満で心機能低下。
- ニトログリセリンの管理: 狭心症発作時に使用。舌下投与(呑み込まず舌の下で溶かす)。光で分解するため遮光容器で保存。
5. 実力試し!練習問題10選(心疾患編)
問1:狭心症の特徴として正しいものはどれか。
1. 胸痛は30分以上持続する
2. 心筋の不可逆的な壊死を伴う
3. ニトログリセリンの舌下投与が有効である
4. 心電図で異常Q波が持続する
解答:3
【解説】狭心症は一時的な心筋虚血であり、ニトログリセリン舌下投与により血管が拡張して症状が改善します。30分以上の持続や壊死は心筋梗塞の特徴です。
問2:心筋梗塞の初期症状・特徴として適切なものはどれか。
1. 数分でおさまる軽微な不快感
2. 安静やニトログリセリンで改善しない強い胸痛
3. 主に下肢の浮腫
4. 左線維化のみで酵素上昇はない
解答:2
【解説】心筋梗塞の胸痛は激しく30分以上持続し、ニトログリセリン舌下でも軽減しません。冷や汗や絞扼感を伴うことが多いです。
問3:左心不全の主症状として正しいものはどれか。
1. 頚静脈怒張
2. 肝腫大
3. 労作時呼吸困難
4. 下肢の圧痕性浮腫
解答:3
【解説】左心不全は「肺うっ血」を引き起こすため、呼吸困難、起坐呼吸、ピンク色泡沫状痰などの呼吸器症状が表れます。1・2・4は右心不全の症状です。
問4:右心不全によって生じる症状・所見はどれか。
1. 肺水腫
2. 起坐呼吸
3. 下肢の浮腫
4. 夜間発作性呼吸困難
解答:3
【解説】右心不全は全身の静脈系うっ血を招くため、下肢浮腫、頚静脈怒張、腹水、肝腫大などが生じます。
問5:左心不全患者が横になる(仰臥位)と呼吸困難が強まり、座ると楽になる現象を何と呼ぶか。
1. 潮式呼吸
2. 起坐呼吸
3. クスマウル呼吸
4. 陥没呼吸
解答:2
【解説】仰臥位になると静脈還流が増加して肺うっ血が防悪化するため、座位をとることで下半身に血液を留め、呼吸を楽にする「起坐呼吸」をとります。
問6:心不全の評価において、心室への負荷に応じて分泌が増加する血液検査項目はどれか。
1. CRP
2. BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)
3. AST(GOT)
4. アミラーゼ
解答:2
【解説】BNPは心不全の重症度を反映する重要な血液マーカーです。数値が高いほど心臓への負荷が大きいことを示します。
問7:狭心症発作時に使用されるニトログリセリンの使用方法として正しいものはどれか。
1. 水で飲み込む
2. 舌の下に含んで溶かす(舌下)
3. 噛み砕いて使用する
4. 食後に服用する
解答:2
【解説】ニトログリセリンは舌下粘膜から直接吸収させることで速効性を得ます。水で呑み込むと肝臓で代謝(初回通過効果)されて効果が大幅に低下します。
問8:急性心筋梗塞発症時の心電図変化として最も特徴的なものはどれか。
1. ST上昇
2. PQ延長
3. QRS幅の狭小化
4. U波の増大
解答:1
【解説】急性心筋梗塞の超初期〜初期には、損傷心筋を反映して「ST部分の上昇」が観察されます。その後、異常Q波や陰性T波が表れます。
問9:心不全患者の生活指導・看護として不適切なものはどれか。
1. 毎日の体重測定(急激な増加の確認)
2. 塩分摂取量の制限
3. 排便時の過度ないきみの推奨
4. 食後・入浴時の心負荷への配慮
解答:3
【解説】排便時の強い「いきみ」は血圧の急変動や心負荷を招くため禁忌です。緩下剤を用いてスムーズな排便を促します。
問10:認知症を合併した高齢心不全患者への対応で適切なものはどれか。
1. 自覚症状の訴えがないため胸痛評価は不要である
2. 表情、不穏、呼吸状態などの客観的変化に注意する
3. 水分・塩分管理はすべて本人に委ねる
4. 運動負荷を限界までかける
解答:2
【解説】認知症患者では痛みを言葉で訴えられないケースが多いため、表情の変化、不穏、バイタルサインや呼吸状態の変化などの観察が重要になります。
